その愛らしいルックスや、醸し出させれるヴィンテージテイストが人々を惹きつける「ワーゲンバス」。近年はキャンプブームと共に、ワーゲンバスとキャンプを楽しむ人々の姿をよく見かけるようになりました。
ワーゲンバスはシンプルな構造による積載性の高さや、DIYをしやすくオリジナルのキャンパーバンを手軽に作れる点、さらには、純正のキャンパーキットを装備したキャンピングカーなどがラインナップされていることもあり、オートキャンパーの間では憧れのクルマとして広く知られています。
現代のキャンピングカーとは違った魅力をもつワーゲンバス。今回はそんなクルマの魅力に迫ります!
登場から60年以上!世界中で愛されるワーゲンバスの魅力とは。
低年式の「アーリー」バス
まず、ワーゲンバスとはそもそもどのようなクルマなのでしょうか。
ワーゲンバスの正式名称はフォルクスワーゲン・タイプ2。”ビートル”の名で親しまれた「タイプ1」をベースに1950年に登場したトランポーター・バンのクルマです。製造年数によってルックスが大きく異なるのがワーゲンバスの特徴であり、1950年から1967年されたワーゲンバスは「アーリー」タイプ、1967年以降に製造されたものは「レイト」タイプと呼ばれています。ワーゲンバスは元々が国民車として普及していたビートルがベースになっていたこともあり、ドイツの人々の生活を支える足として親しまれていくようになります。
高年式の「レイト」バス
そして、ワーゲンバスがキャンピングカーとして使われるようになった背景には、60年代のドイツの個人旅行ブームや70年代を中心にアメリカで起きたサーフカルチャーやヒッピーカルチャーのシンボルとなったことが挙げられます。特にクルマの持ち味である頑丈さと積載性の高さは、旅や遊び、音楽といった趣味に没頭する当時のアメリカの若者たちを惹きつける要因となりました。
さらに、ワーゲンバスにはポップアップテントやキャンパーキットが装備されたフォルクスワーゲン純正のキャンピングカーがラインナップされたことから、オートキャンパーの間でも爆発的な人気を獲得するに至ったのです。
ワーゲンバス用のキャンパーキットは、フラットなベットとなる後部座席、シンクや調理器具、木がふんだんに使われた内装など、キャンプを楽しむための必要な設備が全て揃っており、発売当時は”動くホテル”といわれることもあったのだとか。ヴィンテージカーながら現代のキャンピングカーにも劣らない装備があることは、登場から半世紀以上が経った現代でも愛される存在であり続けている大きな要因の一つと言えるでしょう。