医療MaaSの創出を目指す「メモラボ」に 医ケア児の災害時避難支援ツールとしてキャンピングカーを活用する「ひなんピング」が参画

コロナ禍においてひっ迫する医療業界や、ワクチン接種に取り組む自治体、サービス運営が困難な企業などの支援を目的とした車両の開発および提供する共同事業体(コンソーシアム)「メモラボ」を運営するキャンピングカー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:頼定 誠)に、2022年3月28日より、在宅にて医療的ケアが必要な子ども「医ケア児」の災害時避難手段・一時避難所としてキャンピングカーを活用するアシストネットワーク事業「ひなんピング」を運営する特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク「ぱらママ」(岡山県岡山市、代表理事:藤井弥生)が事業参画したことをお知らせいたします。

■メモラボにひなんピングが参画した背景

メモラボでは、これまでキャンピングカーを多くの医療機関へレンタルしてきた実績を活かし、自動車メーカー、エネルギー事業者、交通事業者、Maas関連事業者など、医療向けモビリティの開発に必要とされる製品・サービスを持つ企業に対して参加の呼びかけを行い、業種を越えたパートナー連携を目指しています。

ひなんピングでは、災害時に支援が必要となる「医ケア児」※のいる家族の元へ、移動式避難所「キャンピングカー」を早期に届けるネットワークシステムの構築を目指し、岡山大学、キャンピングカー事業者、医師・看護師ネットワーク、当団体4者協働による事業展開を行っていまいりました。

※新生児集中治療室(NICU)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童(18歳以上の高校生を含む)のこと。周産期先進医療の発展により医療的ケア児は増加傾向にあり、厚労省のまとめ(令和元年)では在宅で全国に推計約2万人いるとされる。

それぞれの事業は、提供するソリューションの形は異なるものの、「モビリティを通じて医療支援を行う」というテーマにおいては共通の課題や目的が存在します。それらを協働で構築することにより、災害と医療の両側面から活躍するモビリティの創出を加速できると考えました。

 

■2つの事業における共通の課題

医療モビリティの分野で共通の課題となるのは、まず電源の安定供給です。

これまでメモラボが車両導入を支援してきた中で、医療機関が最も重要視していたのは、医療機器や冷暖房器具を稼働させるための電源確保でした。

一方、ひなんピングの事業は、避難時に医ケア児が必要とする人工呼吸器や吸引機などを安定稼働させるための環境整備が最優先となります。

キャンピングカーは車載したサブバッテリーで100V電源が使用できるため、これらの要望に対し、素早く対応することができる災害・医療用モビリティとして適した車両ではあるものの、車外からの給電が難しい環境下における支援活動には時間に限界があります。

メモラボは、ひなんピングがこれまでに行ってきた蓄電池や発電機の比較検証や、医ケア児向け避難訓練の知見を活かし、医療機器の長時間使用に耐え得る「災害・医療特化型ポータブルバッテリー」の開発も視野に入れています。 

■GPSアプリケーションの共同開発

それぞれの事業は運用フェーズにおいて車両と利用者の位置情報データ取得が鍵となります。

クルマとユーザーの位置情報を把握することで、最適な車両配備と緊急出動時の迅速な支援活動が可能となります。

また、より安全で確実な支援を行うためには、電気使用率やバッテリー残量のデータがリアルタイムで収集でき、車両ステータスを常時監視するシステム構築が必要であると我々は考えています。

メモラボではこれらが実現できるGPSアプリケーション開発に向け、ひなんピングとの連携を図ってまいります。 

■キャンピングカー株式会社が推進する「メモラボ」の取り組み

キャンピングカー株式会社が2021年7月に設立を発表した医療支援コンソーシアム「メモラボ(メディカルモビリディラボ)」はクルマという視点から医療業界を支援する仕組みを創出することを目的としており、自動車メーカー、エネルギー事業者、交通事業者、Maas関連事業者など、医療向けモビリティの開発に必要とされる製品・サービスを持つ企業に対して参加の呼びかけを行い、業種を越えたパートナー連携を目指しています。

同時に、利用者側の視点を持つ自治体、医療機関の他、コロナ禍においてサービス運営が困難な企業へも参加を呼びかけ、「今、現場では何が必要であり、何か課題となっているのか」という情報を収集し、サービス向上や需要喚起に繋げてまいります。

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